志望理由書について
ポートランド・バンクーバー・シアトル(レドモンド)の学習塾、巣鴨アドバンススクール。シアトル校の杉山です。 巣鴨アドバンススクールでは、毎年多くの生徒を日本の高校・大学へ、帰国子女入試を通じて送り出しています。帰国子女入試において避けて通れないのが、志望理由書の作成です。今回は、志望理由書を作成する際にどのような点に注意すべきかについてお話しします。 そもそも、志望理由書は本当に大切なのか? はい、もちろん大切です。 志望理由書は、評価の基準となるだけでなく、面接試験における質問のベースにもなります。 . ① 志望理由書には、いつから取りかかればよいのか? 志望理由書の作成には、最低でも1か月は見ておくべきです。多くの生徒は、「自分の克服した出来事」や「自分の強み」、そして「志望理由」を具体化するのに苦労します。面接官が書類を見ただけでその生徒の姿がイメージできるような、“自分だけのオリジナルの志望理由書”を 作るには時間が必要です。 とはいえ、日頃から日記などで自分の経験を記録しておくことが、将来的に役立ちます。誰しも喉元を過ぎると、どんなに大変だったことでも忘れてしまいがちですから。 . ② 志望理由は、どのように書けばよいのか? 志望理由を書く際に注意すべきなのは、「自分の言葉で、具体的に書く」ということです。最初から「きれいな」文章を書こうとして、具体性に欠ける内容になってしまう生徒が多くいます。 一見きれいにまとまっていても、学校名だけを変えれば他校にも使えるような内容では、面接官の心には刺さりません。 では、どうやって具体性を出していくか? 可能であれば、一時帰国の際に学校見学や説明会に参加してみてください。また、知り合いにその学校に通っている生徒がいれば、直接話を聞くのも良い方法です。 今はインターネットでも多くの情報を得られますが、実際に学校に足を運び、先生や先輩の話を聞くことで感じたことを 盛り込むと、志望理由はより具体的になります。 . ③ 自分自身が頑張ったことについて 生徒からよく聞くのは、「頑張ったことなんて何もない」という声です。しかし、それはあくまで生徒本人の主観であり、客観的に見ればすばらしい経験がたくさんあるはずです。 例えば: 「私は、バンドでソロ演奏しかしたことがないから大したことをしていない」 → 中学校で渡米しながらも、自ら立候補してソロ演奏をしたのは素晴らしい経験です。そのために努力した過程も、高く評価されます。 「勉強では英検しか取っていないけど、みんな取っているし……」 → 英語力がほとんどなかった状態から渡米し、英検に合格したのは立派な成果です。他人と比べる必要はありません。 また、生徒たちは照れくささからか、自分の成功談を淡々と書いてしまう傾向があります。ここでも大切なのは、「具体化」です。 どのような点で苦労したのか? それをどう乗り越えたのか? どんなふうに自発的に動いたのか? こういったことを思い出しながら、具体的に書いてみましょう。 . ④ 将来の夢について 将来の夢について聞かれると、多くの生徒が「まだわからない」「決まっていない」と答えます。それで問題ありません。私自身も中学生のころは、将来の夢が決まっていませんでした。先生方も、そのことは十分承知しています。 大切なのは、「今、何に興味があるのか」を起点に考えることです。そして、なぜそのことに興味を持ったのか?を掘り下げてみてください。 ここでも「具体化」がキーワードですね(笑)...
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