ポートランド・バンクーバー・シアトル(レドモンド)の学習塾、
巣鴨アドバンススクール。シアトル校の杉山です。
今回のテーマは「アメリカでの日本語教育は、細く長く」ということです。
これから色々と書いていきますが、一貫して伝えていきたいことは
アメリカで子どもの日本語を少しでもキープできているのはすごい!というメッセージです。
「日本の同学年の生徒と同じレベルまで日本語力をあげなきゃ!」
とお考えの保護者もいらっしゃると思いますが、肩の力を抜いていきましょう。
本日の内容
1、 日本語を知っていてすごいじゃないか。
2、 日本語を話していてすばらしいじゃないか。
3、 日本語を読み書きできるなんて…すてきじゃないか!
4、そばのような日本語教育。
1、 日本語を知っていてすごいじゃないか。
アメリカで日本語を習得するのは本当に大変です。
親が日本人であっても、家庭での共通言語が英語であったり、
現地校のお友達が英語話者のみであったりすると、日本語を使う機会はぐんと減ってしまいます。
いや、アメリカという環境においては、子どもの頭の中から
日本語が淘汰されるのが自然といえば自然です。
それはそうですよね。
英語ができないと学校でお友達や先生と意思疎通が
できないのですから、死活問題です。
でも、日本語は家族ぐらいしか話す人がいないですし、
そもそもアメリカで暮らしている家族なのですから、
英語で話したところで問題ありません。
そうなってくると子ども的に優先順位は
英語>>>>日本語 になってくるわけです。
そんな中で、日本語の単語を少しでも知っていて、
日本語を聞き取ることができるということは本当にすごいことです。
「いえいえ、子どもは耳が良いから自然に日本語は身についたので…
何もすごいことはありません…」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、
実はすごいことです!
2、 日本語を話していてすごいじゃないか
前の1だけでもすごいことなのに、子どもたちの能力はさらに高いです。
例えば、すがもの教室内で子ども同士、英語でお喋りをしていたとします。
そこで私がその子たちに、「何を話しているの?教えて?」と聞くと、
今まで英語で話をしていたはずなのに、日本語で返答をしてくれます。
つまり、英語と日本語のスイッチを瞬時に切り替えることができるということです。
日本語と英語の能力差がある子もいるので、片方の言語で話すと途端にたどたどしく
なる子もいますが、それでも切り替えが上手にできることに違いありません。
先ほども言った通り、学校では英語を話すのが当たり前の世界です。
その中で、日本語でも会話をつなぐ能力があることは
子どもたちは気付いていませんが、立派な特殊能力であると言えます。
3、 日本語を読み書きできるなんて…
すてきじゃないか!
さてさて、2まででも子どもたちの能力がすごいということを証明できましたが、
さらにすごいのが、日本語の読み書きができる子がゴロゴロいるということです。
これは本当にすごいことです。なぜかって?
ひらがな・カタカナの基本的な文字だけでも英語のアルファベットの3.5倍強。
それに加えて漢字もたくさんあります。
それらをうまく使いこなして文章の読み書きができるのです。
日本にいる生徒であれば日常生活で漢字を見る機会もたくさんありますし、
国語の授業も週に何時間もあります。
このように莫大な時間を使って、多くの漢字を覚えていくわけです。
でも、アメリカにいる生徒たちは週に1回の補習校やご家庭での勉強を通じて
何とか漢字・日本語を覚えています。
つまり、日本語の習得に割いている時間は日本にいる子どもたちに比べて
圧倒的に短いにも関わらず、日本語での読み書きを習得しているということになります。
4、 そばのような日本語教育
全体として伝えたいこととしては、
子どもたちがアメリカで日本語を少しでも習得しているのであれば、
それは本当にすごいことです。これは間違いなく保護者の努力の賜物であると言えます。
日本にいる学生と違い、ゴールが決めづらい日本語学習。
細く・長く続けていくことが大切です。
たとえ現在、子どもの興味・関心が日本語力に向いておらず、
能力の伸びが感じられなかったとしても、成長してから
日本語学習の大切さに気が付くケースも多いです。
それまで親は歯がゆい思いをするかもしれませんが、
細く・長く日本語の勉強を続けていきましょう。
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