現在、永住生徒も帰国の生徒たちも取り組んでいるのがこちらの本。
「ファクトフルネス」
永住生たちも、巣鴨に通ってから8年以上となります。
ファクトフルネスのようなノンフィクション、しかも分厚い本にも取り組めるようになったのだな、と思うと感慨深いです。
最初に来ていた時は、それこそ平仮名からのスタートでしたからね。
断ってはおきますが、やはり漢字の読みはなかなか大変ではあります。
それでもなんとなく漢字さえも読んでいるので、立派だなとは思いますね。
それでは、ファクトフルネスとはどんな本なのか。
Factfulness
まずは何問か皆さんに答えてもらいましょう。
3問だけですので、じっくり考えて答えてみてください。
質問1:世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう。
- 約2倍になった
- あまり変わっていない
- 半分になった
質問2:自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?
- 2倍以上になった
- あまり変わっていない
- 半分以下になった
質問3:幾らかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいるでしょう?
- 20%
- 50%
- 80%
皆さん、いかがでしょうか。おそらく、どの質問にも1番か2番と答えたのではないでしょうか。
私がそうでしたから。
実は、答えは、全て3番なんですね。
極度の貧困にある人の割合は、年々減っています。
20年前は人口の29%だったのが、今では9%。
もっとさかのぼると、こういう図になるそうです。
すごくないですか?
その他にも、自然災害で亡くなる人は、大幅に減り。
世界で電気を使える人たちは、8割りを越えているそうです。
世界ってどんどん良くなっていっていますよね?
でも、私たちは、そう思っていません。
世界はどんどん悪くなっていると思っている。
それは一体どうしてなのでしょうか。
先進国と途上国
衝撃的なグラフをお見せしましょう。
このグラフを見てください。
横軸は「女性1人あたりの子供の数」 縦軸は「5歳までに生きている子供の割合」です。
もう「途上国」と「先進国」で全然違う位置にありますよね。
先進国は、女性一人当たり2人から3人の子供を産んでいて、生存率も90%以上。
途上国は、女性一人当たり5人以上の子供を産み、生存率も80%以下。
この図を見て、私は思いました。
あ、やっぱり「途上国」と「先進国」って違うんだよな。
自分たちは、本当に恵まれた暮らしをしているんだよな、と。
でもですね、実はこのグラフ、1965年のデータを使ったものなのです!!!
もう50年以上前のデータですよ!
最新の2017年のグラフはこうです!
「なんということでしょう」もうビフォーアフターの名ゼリフが聞こえてきそうな、1965年のビフォーと2017年のアフター。
子供の生存率は高まり、女性1人あたりの子どもの数も減っている。
もう途上国なんて本当に数えるほどじゃないですか。
実は世界銀行は「途上国」と「先進国」という言葉を使うのをやめているんですね。
それほどに、世の中は、途上国と先進国に分けられなくなっている。
では、なぜこれほどまでに、私たちは世の中を間違った見方で見ているのでしょうか。
なぜ私たちは、昔の情報のままで、新しい情報にアップデータおされないのでしょうか。
その問いに答えているのが、こちらの本なんですね。
分厚い本なのですが、本当に読む価値ありです。
目から鱗が落ちる、とはまさにこのこと。
ぜひ、ファクトフルネス、手にとって見てみてください。
子供達に伝えていること
子供達には何度も伝えています。
これからの世の中、スマホを見る人は増えても、読書する人は減っていく。
だから読書を継続するだけで、どんどん貴重な存在になっていける。
そしてその知識を元に、世の中をより良くしていくんだ。それがみんなの役割、使命だよ、と。
ぜひ、我々大人も、子供達のお手本として読書で頭の中をアップデートしていければ、と思っております!
永住生と帰国生たちとともに、ファクトフルネスを読みあっては意見交換しているポートランド校の教室長でした。