アメリカに数年いれば英語力は自然に上がる、なんて思っていたら痛い目にあいますよ、という話です。
学習塾・巣鴨アドバンススクール・ポートランド校の御殿谷です。
10年前の生徒たち
最近はおかげさまで渡米して1週間以内に来てくれる生徒や、渡米前から連絡をくれる保護者の方々もいます。
ただ10年前の開校当初は、帰国間近になってから来る人ばかりでした。
帰国が決まってから焦って、当校に来ていたんですね。
帰国間近の子たちが勉強する内容は、主に入試勉強でした。
帰国して受験する子たち。
帰国子女受験では、国数だけでなく英語も科目にあります。
渡米3年の生徒の英語力
とある渡米して3年の子も、受験指導のために当校に通い始めました。
中学生の男子です。
保護者の方の希望通り、国語をみて、数学も見ました。
英検も準2級を持っている、とのこと。
渡米して3年で準2級なんて、悪くないわけです。
頑張ったねって感じです。
ただ、ふと気になって、英語力を見るために、英語の文章を書かせてみたんですよね。
生徒の英語の実力を知るためには、エッセイなどを書かせてみるのが一番です。
喋るのはごまかせても、書くのはごまかせないからです。
そして、英文を書かせてみたら、本当にビックリしました。
準2級を持っていると聞いていたからか、余計ビックリだったのだと思います。
何がビックリだったかと言いますと、その子の文章が読めないのです。
もちろん、字が汚いとかではありませんよ。
文法がめちゃくちゃで、1文読むのにも本当に苦労するのです。
うん?これは一体何を言いたいんだ?とツッコミを入れたくなる文章ばかり。
例えるなら、全てがカタカナで書いてある日本語の文章みたいなものです。
コンナフウニ スベテヲ カタカナデ カカレテモ イヤデスヨネ。
それくらい読むのが嫌になるような、億劫になるような文章だったのです。
主語と述語のセットになっていない不完全な文章であったり。
he play の三人称単数のsなんて、全くなかったり。
またはその逆でつけすぎていたり。
I playing soccerなどbe動詞(am)が抜けているものなど。
よくこの子は、3年間、現地校でやってこれたな、と思いました。
例え、現地校生活をやってこれたとしても、その子の英語に対する自信は全くありませんでした。
前にも、こちらのブログでも伝えていますが、英検だって合格していればいいわけではありません。
英検に合格できるだけのレベルをつけて、その子の自信に繋がるのが一番です。
英検準二級を持っている彼でしたが、本当に英語への自信はありませんでした。
「3年いても、文法力とは関係ないのだな。」と私はその時確信しました。
もちろん、普段の生活において文法力なんて誰も気にしません。
文法が多少間違っていようが、英語なんて通じればいいのですから。
ただ、通じればいいというのは会話のことであって、書き物は全く別の話です。
私たちだって、本を読んでいて誤字脱字があれば、引っかかるじゃないですか。
あれ?ここ違うなって思ってしまうわけです。
そして、学校においては、学問においては、書くことが中心です。
最近のアメリカの学校は、本当にたくさんのことを書かせますから。
文法が不確かな文章しか書けない、渡米して3年の生徒。
実は、その後もこういう子が毎年必ずと言っていいほど来ました。
塾に来た生徒で、この頻度。
まだまだ文法をしっかりやらなかったがゆえに、自分の英語力に自信のない子はいるのだろうと思いました。
自分の体験
何を隠そう、私も文法力のない帰国子女の一人でした。
「have to〜」が「〜をしなければならない」という意味だということを、帰国して日本の中学校で知りました。
こういうことをもっとアメリカにいる間に知りたかった、と思ったのはもちろんのこと。
その苦い体験が、今の巣鴨にも活かされています。
日本の英語授業においては、英文法は悪とされています。
なぜなら通じる英語ではなく、正しい英語を使おうとするから。
私は、それは半分正しくて半分間違っていると思います。
なぜならしゃべる時に必要なのは通じる英語であり。
書く時に必要なのは、正しい英語だからです。
まとめ
アメリカに3年から5年滞在している日本人生徒は、1年目から「正しい英語」を身につけるべきだと思います。
なぜなら、通じる英語は、現地校に通っている限り、時とともに身につくからです。
最初のうちに、英文法を徹底しておけば、後が楽になってくるのですから。
最初が肝心です。英文法の徹底、ここはしっかりと抑えておきましょう。