「どうして教えたのにできないの?」
保護者の方なら、誰もが抱いてしまう疑問でしょう。
〇〇を教えたのにできていない。
〇〇を教えたのに忘れてしまう。
ただ、これは普通です。
当然です。
なぜなら、教えられる、と理解するは全く別だからです。
理解させたければ、「教える」のではなく、「質問」してあげてください。
シアトル・ポートランド・バンクーバーWAにある学習塾巣鴨アドバンススクールの御殿谷です。ビーバートンORにて巣鴨キッズという幼稚園も運営しています。
エピソード 3倍って?
先日、算数の問題を解いてもらうために生徒にこんな質問をしました。
「20を3倍したらいくつでしょう」と。
すると動かなくなった生徒。
聞こえなかったのかな、と思ってもう一度ゆっくり聞きました。
「20を3倍したらいくつ?」と。
首を傾げる生徒。
そこで、私はこう伝えることもできました。
「20を3倍したら60だよ。」と。
これがいわゆる「教える」と言う行為ですね。
ただ、それはせずに、何が分からないのか質問してみました。
「20ってなに?」
20って10が2つ。
「3倍って意味わかる?」
すると「3倍の意味が分からない」という生徒。
「3倍」の「3」はわかっているだろうから、「倍」って意味がわかっていなかったのか、と。
そこで初めて、彼がつまづいているポイントを把握できました。
見つけられたら、あとはそのポイントを取り除くだけです。
「3倍」って「×3」ってことだよ、と。
すると、晴れやかな表情になる生徒。
「そういうことか!」と。
理解できる喜びを噛み締め、嬉々としてその他の問題にも取り組む生徒。
ここで大事なことは、「教える」よりも「質問」をしてみたことです。
すると、どこでつまずいているのかが分かるからです。
エピソード 意外と難しい四捨五入
他にも、「四捨五入して上から2けたの数にしましょう」という算数の問題。
これって結構難しいんですよね。
やはり混乱しているとある生徒。
上から2けただから、この数字だよね。こうやればできるよ、と「教える」こともできました。
しかし、代わりに「質問」しました。
「2けた」の「けた」って意味わかる?と。
そうすると、やはり首を振る生徒。
「けた」って言うのはね、この場合は上、つまり左から2つの数字ってことだよ、と。
すると、あぁ!とこれまた喜ぶ生徒。
すると自分で勝手に問題を進めますね。
やはり、ここでも「教える」よりも優先して「質問」しただけです。
まとめ
どうして教えたのにできないの?
と言う冒頭の疑問ですが。
それは教えたことが子供と噛み合っていないからですね。
それはまるでチェーンの外れた自転車です。
どれだけペダルをこいでも空回りするだけです。
教え込もうとすればするほど空回りとなります。
自転車のペダルをこいでもこいでも、前に進まないのですから。
まずは、こぐのをやめて、チェーンをはめましょう。
チェーンをはめてから、ペダルをこいでください。
もしお子さんが教えたのにできていなければ、質問をしてあげてください。
「〇〇ってどう言う意味?」と。
そうしたら、お子さんがどのポイントでつまずいているのかが分かります。
「エェー、そこが分からなかったの!」となります。
そうしたら、その分からなかったことを答えてあげてください。
するとチェーンもはまることでしょう。
教えたのにできない。
それは、子供のつまずいているポイントが分からず、教えているからです。
漕ぐよりも、まずは外れたチェーンをはめる。
そこを意識して、「教える」よりも「質問」してあげてみてください。
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