勘違いTOP 3
10年以上に渡り、1,000名以上の帰国生や永住生の保護者と接する中で、バイリンガル教育における誤解をたくさん見てきました。多すぎる情報にお悩みではありませんか?
よくある誤解と、その解説を読むことで、
「優れたバイリンガル教育には、どうしたらいいのか」がわかります。
そして、何より大事なのは、保護者として子供のことを信じ、彼らを見守る姿勢です。
TOP 3
アメリカに数年住んだあと、日本へ帰国する予定の生徒。
日本に帰国するため、受験や帰国後の日本の授業について、考える必要があります。
1位
英語は現地校で自然に上達する?
アメリカに来たのだから、
何年か住んでいれば自然と英語力は上がるだろう、と考えていませんか?
英語力といっても、日頃の「コミュニケーション英語」と「学習英語」は別物と考えてください。
日頃使うような「コミュニケーション英語」は、現地校に通っていればできるようになります。あっという間に、「元気?今日はいい天気だね」などと英語で言っていることでしょう。
しかし、「学習英語」である読み書きはできるようになりません。ここに落とし穴があるのです。
日本で生まれ育っても、日本語の読み書きができない子が多くいるように、読み書きのトレーニングをしないと英語の文章を読んだり、自分の考えを書いたりすることはできるようになりません。
「なんちゃって帰国子女」と呼ばれる子たちは「コミュニケーション英語」は現地校で自然と上達します。ところが、主語がない文章、動詞が2つある文章、be動詞が何回も続く文章などが多く、英語文法に問題があります。
「学習英語」である読み書きは自然に向上しません。
アメリカにいれば自然とレベルアップする日常会話とは違い、読み書きは日本人にあったトレーニングが必要です。
2位
英語を学ぶならネイティブの先生から?
英語学習には日本人講師よりも
ネイティブが教える英語を、と考えていませんか?
「コミュニケーション英語」は現地校で自然と上達しますが、「学習英語」は自然とは上達しません。
読み書きが中心の「学習英語」が上達するには、日本人にあった正しいトレーニングが必要です。
ネイティブの家庭教師の先生は、必ずしも日本人にあった正しいトレーニング方法を知りません。
日本人の先生で、自ら苦労して英語を習得したからこそ、日本人の生徒たちに正しいトレーニング方法で教えることができるのです。
日本人だから日本語をわかりやすく上手に教えられないとは限りませんよね。ネイティブだからといって、英語をわかりやすく上手に教えられるわけではないのです。
3位
ESLクラスで英語の読み書きはトレーニングされる?
現地校のESLでしっかりトレーニングされる、と考えていませんか?
現地校のESLにはヒスパニック系の子どもが多くいます。
彼らの第一言語はスペイン語。文法と単語は非常に英語と似ています。
そのため、ESLでは文法や単語ではなく、コンテンツベース(内容重視)で英語学習が進みます。
日本人は日本人にあった学習方法が必要なのです。
文法や単語は、読み書きのベースとなります。
そのベースができると、コミュニケーション英語にもプラスの影響を及ぼすのです。
TOP 3
アメリカに永住予定の生徒。
アメリカの学校教育が基本になるため、日本語学習について考える必要があります。
1位
カタカナできないとダメ?
カタカナをしっかり覚えさせないと、と考えていませんか?
カタカナの不出来を気にする保護者の方が多いのですが、カタカナは平仮名や漢字に比べると使用頻度は少ない。
カタカナを全て覚えようとすることに時間を使うよりも、1つでも多くの日本語コンテンツに触れて、日本語の楽しさを知ることを優先しましょう。
一通りカタカナをやっておけば、困ったときには「表」をみながら書きましょう。
2位
日本語力は漢字力?
「漢字だけは覚えさせたい」、と考えていませんか?
「子どもに漢字だけは覚えさせたい」と考える保護者も多い。
漢字は大切ですが、ここは日本ではありません。
日ごろ漢字を使うこともなければ、見ることもありません。
アメリカで育つ子どもたちに繰り返し漢字を書く練習だけさせる…それは、子どもの日常に関係ないため漢字が嫌いになってしまいます。
アメリカでは、テストのために漢字を覚えるよりも、日本語への動機づけが大事です。
例えば、日本語の本を一緒に読む・テレビ番組をみて感想を言い合う・ひと言で日記を書く。
日常会話とは一歩レベルが上の会話を、本やテレビの感想を言い合うことで心がけましょう。
3位
年齢相応の日本語力がないとダメ?
「日本の同学年と同じ日本語レベルにさせたい」、と考えていませんか?
理想は学年相応の日本語力を身に付けさせることですが、
現実として、大変な苦労と時間を必要とします。
アメリカでは、日本語に触れることは少なく、学年が上がれば上がるほど、学年相応の日本語を習得するのが難しくなります。
子どもが理解できていないのに、学年相応の内容を無理やりやらせることは、賢いやり方ではありません。
無理やりやらせると、子どもが日本語をイヤになってしまいます。
日本語習得には個人差があります。
子どものペース+アルファ程度で、細く長く学習を続けていくことが大切です。
リミテッドバイリンガルとは、二言語以上を学ぶことにより、
どの言語も中途半端になってしまうことです。
年齢が低ければ低いほど、リミテッドになる可能性は高まります。
リミテッドバイリンガルの特徴として、まるで2歳児のようにすぐに手が出る、奇声をあげる、
などがあげられます。
本来であれば、言葉で表現できる感情が、言語力がないため中にこもってしまうからです。
リミテッドのため精神的に未熟になってしまうことが多く、
いつまでも学年相応の賢さが身につきません。
一度、リミテッドバイリンガルと疑われるのであれば、仕切り直しが必要になります。
リミテッドバイリンガルにならないためにも、第一言語の基礎を習得しましょう。
第一言語で本を読めるようになりましょう。
他の子と比べてではなく、昨日より今日という、子どもの確実な成長が優先されます。